おかげさまで90周年

2019年、世界は未曽有の新型コロナ感染症(COVID-19)の猛威に見舞われ、誰もが先の予測が難しい中、自転車業界においてはかつてない空前のコロナ特需が沸き起こりました。パンデミックが頭打ちとなって以降、業界全体が特需から真逆の大変厳しい状況に陥っていく中で、第5代社長としてMINOURAのかじ取りを任されることになりました。

株式会社箕浦 箕浦隆

新型コロナでの自粛が落ち着きはじめた2023年12月に、おかげさまでMINOURAは無事創業90年周年を社員とのお祝いだけに控えてひっそりと迎えることができました。MINOURAは1933年創業、社歴は古いですが、その考えや行動は常にフレッシュであれという気持ちを忘れず、私の基本方針は在籍する素晴らしい社員や彼ら・彼女らを支える家族、会社を信頼していただき永年お取引をして下さっている外注加工や仕入れ先、国内外の製品販売でお世話になっている小売店・問屋・商社など多くのお取引先様と共に、常に創業当時からの基本理念である、こんなものがあったら良いな、きっと便利になるはずだという企画から、アイデア商品の企画開発を、手を止めることなく行い続けてまいります。

これまで「健康とエネルギー」に関わる、自転車関連用品ブランドの「MINOURA」と、ヒートパイプ技術を用いた高効率熱交換チューブ「C-tube」を二本柱にしてきましたが、2022年夏からは新たに「人生をより充実させるため、趣味を持つことが身体だけでなく、心の健康を維持するために必要」と考え「Life + Colorful + Benefit」という単語からの造語で「Licolbe(リコルベ)」ブランドをスタート。まずはHOBBY部門としての「HOBBY TOWER」を発売開始、2023年春からは自転車と楽しむフィールドと同じくする「Licolbe Outdoor」ブランドでの製品展開もスタートさせました。

来る100周年も皆さんと笑顔で迎えるために、過去の実績や経験ばかりにとらわれず、しかも我々にはもれなくついてくる「Made in Japan」という素晴らしいブランド価値を保つために、自社工場内での責任ある製品づくりはもとより、未来志向の取り組みとして、お客様へオリジナル性を持った独自製品を提供できるよう、樹脂素材だけでなくステンレスやチタニウムといった素材を使った3Dプリンター技術による少量多品種生産を、量産コストで実現し行うことを世界に先駆けて行える準備をすでに進めています。

流通においては市場要求の多様性対応に柔軟性を持たせ、各市場への商流を担っていただくお取引先様と協力し合い、欲しいものを、欲しい時に、欲しい数だけお納めできるよう、細やかな対応が可能な、そうしたものづくりができるメーカーとしてこれからも頑張ってまいります。

引き続き MINOURA製品をどうぞご愛顧賜りますよう、末筆ながらお願い申し上げます。

取締役社長   箕浦 隆